トロッコ問題（またはトロリー問題）は有名な思考実験なので聞いたことがある人は多いかもしれません。様々なレパートリーがありますが、主に知られているのは次のようなシチュエーションだと思います。
(a) 線路を走っていたトロッコが制御不能になった。このままでは、前方の作業員5人が轢き殺されてしまう。
この時、たまたまAは線路の分岐器のすぐ側にいた。Aがトロッコの進路を切り替えれば5人は確実に助かる。しかしその別路線でもBが1人で作業しており、5人の代わりにBがトロッコに轢かれて確実に死ぬ。Aはトロッコを別路線に引き込むべきか？
どちらに路線にも人がいてこのままでは必ず犠牲者が出てしまう。まさに究極の決断ですね。
数に重きを置くなら、1人を犠牲に……と考えてしまいそうになりますが、その1人が自分の家族や恋人だったら？ そう単純にはいきません。
そもそも命を数で比較すること自体、間違っているのかもしれません。
AIはどう答えるのかChatGPT 4o-miniに訊いてみたら2パターン返ってきました。
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トロッコ問題でどちらも犠牲にならない方法は何が考えられるでしょう。
回答1
トロッコ問題では、通常、ある人を犠牲にすることで他の人を救う選択が求められますが、理論的にどちらも犠牲にならない方法を考えるとしたら、以下のようなアプローチが考えられます。
- トロリーを停止させる方法
トロリーが進行中に止まれる場合、どちらのレールにも向かわずに完全に停止させることができれば、誰も犠牲にせずに済みます。例えば、緊急ブレーキやリモートで操作できるシステムがあれば、即座に停止することができるでしょう。- レールを切り替える技術的な解決策
もし切り替えレバーが手元にあり、トロリーが別の道に進むことができるような設計になっている場合、ただちにレールを切り替えてどちらにも進まない選択肢が可能となるかもしれません。- トロリーのスピードを制御する
トロリーのスピードを急速に減速することで、犠牲者を減らす方法も考えられます。例えば、トロリーが進んでいる方向に障害物を配置してブレーキを効かせることができれば、最終的に誰も犠牲にならない可能性があります。- 周囲の人々の介入
もし周囲に他の人がいる場合、誰かが積極的に介入して物理的にトロリーを止めることができるかもしれません。例えば、レール上に立ち止まっている人がジャンプしてトロリーの進行方向を変更することができれば、どちらのレールでも問題なくなります。もちろん、これらの方法が実際に可能かどうかはその状況によりますが、理論的にはこのような選択肢が考えられます。
回答2
トロッコ問題において、どちらも犠牲にならない方法を模索するのは哲学的に難しい課題です。この問題は、倫理学の中でも「結果主義」や「義務論」などの異なる立場から議論されることが多いですが、どちらも犠牲にならない選択肢を見つけることは、理論的には困難です。しかし、現実的な視点から、いくつかの可能性が考えられます。
まず、最も単純な解決策として、技術的な介入が挙げられます。例えば、トロリーが自動で停止するような安全装置が設置されていれば、誰も犠牲にすることなく事態を回避できるでしょう。これには、現代の人工知能（AI）や自動制御技術を活用することが考えられます。AIによるリアルタイムでの判断や迅速な反応が可能であれば、事故を未然に防げるかもしれません。
次に、倫理的なアプローチとして、完全に犠牲者を出さずに問題を解決する方法が現実的でない場合、倫理学の枠組みを再考することが重要です。たとえば、**「状況倫理」**の観点から、トロリー問題を解決する方法として、全員の利益を最大化することに焦点を当てることが考えられます。これには、犠牲を最小限に抑える方法として、事前に道徳的判断を下すことが求められるでしょう。
最後に、社会的な枠組みにおいては、トロッコ問題自体が非現実的な極端なシナリオであるため、実際の社会や公共政策では予防策を講じることが一般的です。たとえば、交通インフラの改善や危険な場所での監視強化、緊急時の対応能力向上などが挙げられます。これにより、事態が発生する確率を減らすことが可能です。
結論として、完全に犠牲者を出さない方法は、現実的な技術的進歩と倫理的再考を通じて探求する必要がありますが、現在の社会ではそのような状況を完全に回避するのは難しいと言えます。
僕の個人的な策としては、路線を変えてトロッコから降り、作業員のところまで全速力で移動してBを線路から離すとかですかね。
ただ、これはAがトロッコよりも速く移動しなければならないので物理的に厳しい。
やはりトロッコをどうにかして減速させないことには両方助けるのは困難ですね。
AIでも明確な答えを出すのはできないようです。いやぁ、本当に難しい。
