
GPT‐4がGPT‐4oにバージョンアップしたのでやってみます。今後も誰かがこういう企画やると思いますがどうなんだろう。
3以上9999以下の奇数aで、$${a^2-a }$$が10000で割り切れるものをすべて求めよ
GPT‐4oの解答を見てみます。どのように解いていくのでしょうか。
$${a^2-a }$$が10000で割り切れる必要があるので、次のように表せます。
$${a^2 – a \equiv 0 \pmod{10000} }$$
つまり、
$${a(a – 1) \equiv 0 \pmod{10000} }$$
10000の素因数分解は、
$${ 10000 = 2^4 \times 5^4 }$$
この条件を満たすためには、 $${ a(a – 1) }$$が $${ 2^4 \times 5^4 }$$で割り切れる必要があります。したがって、aまたはa – 1の少なくとも一方が $${ 2^4 \times 5^4 }$$で割り切れなければなりません。
奇数aに対して、aは$${2^4 }$$で割り切れません。そのため、a – 1が$${2^4 = 16 }$$で割り切れる必要があります。同様に、奇数aは$${5^4 = 625 }$$で割り切れないので、a – 1が625で割り切れる必要があります。
つまり、
$${ a – 1 \equiv 0 \pmod{10000}}$$
この条件を満たすaは次のように表せます:
$${a – 1 = 10000k}$$
$${ a = 10000k + 1}$$
ここで、k は整数です。さらに、aは 3 以上 9999 以下の奇数でなければならないので、k は以下の条件を満たす必要があります:
$${ 3 \leq 10000k + 1 \leq 9999 }$$
この不等式を解くと、
$${2 \leq 10000k \leq 9998 }$$
$${ \frac{2}{10000} \leq k \leq \frac{9998}{10000} }$$
$${0.0002 \leq k \leq 0.9998 }$$
この範囲内で整数 kは存在しないため、条件を満たす奇数 aは存在しません。
したがって、3以上9999以下の奇数 aで $${a^2-a }$$が10000で割り切れるものは存在しません。
$${a^2-a }$$を$${ a(a – 1) }$$に因数分解したのと、10000の素因数分解までは順調です。そして、 「$${ a(a – 1) }$$が $${ 2^4 \times 5^4 }$$で割り切れる必要があります」も正しい。
>したがって、aまたはa – 1の少なくとも一方が $${ 2^4 \times 5^4 }$$で割り切れなければなりません、
これはプロンプトに影響されている気がします。aとa – 1の積が10000の倍数になればいいので、必ずしもaとa – 1のどちらかが10000で割り切れる必要はありません。
僕が解答者なら、ここで素因数分解の結果を使います。$${ 10000 = 2^4 \times 5^4 }$$より、aは奇数だから$${5^4 = 625 }$$で、625で割り切れます。
一方、a – 1は偶数だから$${2^4 = 16 }$$となり16で割り切れます。
本来なら、題意を満たすaがこの625だけであることを示せばよいのですが、GPT‐4oはそうしませんでした。
>奇数aに対して、aは $${2^4 }$$で割り切れません。そのため、a – 1が$${2^4 = 16 }$$で割り切れる必要があります。
奇数なんだから偶数の$${2^4 }$$で割り切れないのは当たり前です。
>同様に、奇数aは$${5^4 = 625 }$$で割り切れないので、a – 1が 625で割り切れる必要があります。
aは625で割り切れるよ。むしろ、a – 1は偶数なのに奇数の625で割り切れるのがおかしい。そのあとの解答もすべて間違いです。
受験用に作られたAIではないとはいえ、この結果だとGPT‐4が東大数学で1点しか取れなかったのは納得な気がします。AIが東大に合格するレベルになる日はまだ先になりそう。
問題文だけをプロンプトに載せるよりは、解く過程を具体的に教えないと正しい答えを導くのは厳しいかもしれません。